ICTを用いた国語科教育
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この実践について

実践のポイント

  1. 言語事項の学習を主体的に行うことで「生きて使える言語」の習得が可能になります。
  2. 児童・生徒に主体的な学習を実現するには、仕掛けが必要です。
  3. 大村はまさんの実践に「気に入った詩に形容詞をつける」というものがあります。「動詞ハンター」はこの実践を手本としています。

実践の意図

用言の学習では、機械的に活用を覚えたり、単純な反復練習をしたりするというのが従来の古典的な方法でした。この方法を全否定はしませんが、これだけで用言の学習が終わってしまうと、文法嫌いの生徒を生むだけで終わってしまうことが多いです。
体系的に学習が行われ、かつ、構文論と品詞論を関わらせて指導するとか活用の不思議さを50音図の成り立ちや音韻などと関係づけて学習するなどの見通しや工夫をもって授業を行えば、古典的であるかないかに関わらずかなりの学習効果は期待できますが、学習者の「主体性」や「自覚」という点ではやはり次元が低いと思います。

言語事項の学習では、特に「主体性」と「自覚」がキーワードとなります。別の言い方をすると、言語事項の学習では自覚的に言語を操る話者になるという態度の育成が重要だということです。

言語の学習の究極の目標は「豊かな言語生活」です。教科書を覚えてテストで点を取ることは大切ですが、それは決して究極の目標ではありません。

生きて働く言語の獲得のために、生徒がやりたくなるような活動を考えることが大切です。

バリエーション

文法学習の問題点

文法学習の問題点としてよく言われることは、「形式的になる」とか「機械的暗記に偏る」とか「必要以上に細部にこだわる」ということです。

形式的・機械的であることと細部を学習することのどちらも悪くありません。

なぜなら、文法は「法則」ですから「体系的」であり「システマチック」であり「シンプルかつ複雑」です。これはあらゆる「体系」「システム」に共通する原理です。文法を学ぶということは体系やシステムを学ぶということなので、この原理にふれなければ学ぶ意義は半減します。

では、なぜこの「形式的」や「機械的」や「細部」が問題とされているかというと、文法の体系やディテールをきちんと教える教師がいなかったからということにつきると思います。いったい、今まで本当に文法の細部を教えてもらった中学生がいるのかと考えてみると、自分自身の経験から考えても、教えたことも教えてもらったこともないとわかると思います。

問題の根本は、教師が文法に関しての知識が足りない上に、教え方が「形式的」で「恣意的な細部のこだわり」を持っていたからです。

    以上整理すると、
  1. 文法は本来「形式」であるので、学習は「形式」を学ぶ学習となる。
  2. 文法は「システム」なので「シンプルかつ複雑」な「構造」におもしろさがある。
  3. 「細部」を学ばなければおもしろさに気づくことはできない。
  4. 「形式的・細部にこだわる」のは学習内容ではなく、学習方法・教師の指導力の問題を指摘している。

つまり、文法学習を巡るちまたの問題意識は、問題のすり替えの上に成り立つ論点だということです。どのような方法をとるにしろ、細部にこだわることと形式を学ぶことをおそれずに実践すべきです。

言語事項の学習では、実践や教科教育研究の成果が少ないです。教科書でも、読むことや聞くこと・話すこと単元では先行実践や研究の成果を取り入れた魅力的な言語活動が示してありますが、言語事項の単元はずいぶん見劣りがします。国語科教育研究の課題の一つではないでしょうか。

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